湘南ライナー乗車ルポ[車内編]
車内は意外にも空いていて、発車までの時間に食べ損ねたぺぺロンチーノ弁当を平らげるほどの余裕はあった。
19:00、東京駅を発車する。
湘南ライナーの乗客は民度が低いという話を聞いて身構えていたが、車内に響くのはうるさい(僕は好きだ)モーター音のみで、宴会をするおじさま方の嬌声は聞こえない。
乗車時間が集中し、乗客の気も立っている朝の通勤時間に本性を現すのだろう。
発車してしばらくは岡山行のぞみ号と並走し、
車両センターと高輪ゲートウェイ駅を横目に品川へ。路線図で見れば近いが体感的には相当な距離がある。
せっかくの乗車だったが、昨晩の夜更かしが響いてすっかり眠ってしまった。
目覚めた頃には横浜を過ぎ大船に停車しようとしていた。
その後も虚ろとしていて、車内探検も遂行できなかったしそんな訳だから別段車内で記すことはない。
けれども幾度となく通った東海道路が闇の中、高速で白色の蛍光灯で照らされた車内が全く別の空間に思えるのは愉快だった。
19:58、茅ヶ崎着。相模線の乗り換え時に見る、いつも混み合う茅ヶ崎駅の面影は全くない。
同じ時間、同じ閑散具合でも筆者の沿線である中央線とは違う郊外ならではの静寂さがあった。
平面駅に15両編成が停まる長いホームがその情景を一層際立たせる。
青春18きっぷを利用していたため折り返し、ロングシートで残業社員と共に帰宅した。